飛ばない蝶は、花束の中に


お兄ちゃんと宇田川さんが出掛けて。


残された私と。

洗濯物を畳む雅と、それを楽しそうに眺める“タカノ”。



“タカノ”はあれきり、私に含みのある毒々しい笑顔しか向けなくなっていた。

雅と私が一緒に寝ているのが、相当に気に入らないんだ。


今も。

私が見ていることなんか関係ないとばかりに、雅にちょっかいを出しては、小さく叱られている。


雅も、そんなに恥ずかしそうに頬を染めたりするから。

調子に乗るんだと思う。




「これもアイロン要るね」


“タカノ”が。

アイロンをかけるのはこっち、と分けた山に、私の紺色のワンピースを追加した。



「…ちょっと………触らないでよ」

私は“タカノ”が私のワンピースに触れた事が気に入らない。


“タカノ”はまた、雅には見せないような、人を馬鹿にした笑みを、片頬に。

浮かべた。




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