飛ばない蝶は、花束の中に
「…どうした深雪。何かあったのか?」
お兄ちゃんは、私を引き剥がさない。
でも、久しぶりの再会にしては、ちょっと無感動すぎて。
私はチラリと、そばに立ち尽くす女を、睨みつけた。
ぴくん、と。
怯えたような目が、妙に勘に触る。
でも。
思ったよりも、若い…?
私と…同じくらい、に見える。
「……なによ」
抱き付いたまま、私は小さく牽制。
こういうのは、最初が肝心よね。
勢いに飲まれた方が、負けだ。
「あ……こんに、ちは?」
「……………………」
なに、こいつ。
色々聞きたいくせに。
どうして笑えるの?
こんなに弱々しくて、お兄ちゃんの彼女が務まると思ってるの?
小さく首を傾けて、お兄ちゃんを見上げた女…の子は、敵意丸出しな私に戸惑ったのか、何も言わないまま、お兄ちゃんの手から、荷物を抜き取った。