飛ばない蝶は、花束の中に


「雅、俺の妹だ」

腹違いの、と。


お兄ちゃんは、私のテンションの高さとは真逆な、まるで毎日会っていたかのような感覚で、私を引き剥がした。


荷物を持って、距離を取ろうとしていた“雅”が、改めてニコリと微笑む。



「そっくり、ですね」


綺麗な髪、と。

嬉しそうに笑う“雅”が、やっぱり睨む私に困ったような視線をよこした。




「…あたし、中庭の手入れしてますね」


再びお兄ちゃんを見上げた“雅”が。

でも荷物、しまってからでもいいですか?と、小首を傾げる。




お兄ちゃんは、私の背を押して誘導するような仕草をすると、“雅”の手から、再び荷物を取り上げる。


「いや、いい。お前は課題があるだろ」



…ちょっとお兄ちゃん。

私の事はそっちのけ!?


そんな小さな荷物ひとつ持たせたくないほど、その子が大事なの!?




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