飛ばない蝶は、花束の中に
雅が、温かいココアと、厚いガラスの器を載せたトレイを持って、戻ってきた。
私の強烈な罪悪感など、気づきもしないし、携帯の電源が落とされていることにも、気付かない。
「今日は、蓮のブラマンジュですって」
タピオカも乗って、綺麗だからふたつ頂いてきました。
すっかり体調は良くなったのか、にこりと笑う顔に、陰りはなかった。
「どうか…しましたか?」
それは私のセリフよ!
睨みつけるように黙って雅を見つめれば。
何としても、様子がおかしかった理由を言わない気なのだろう。
……ロータス…蓮、きっと凱司さんが好きだと思うから…買って帰りましょう。
と。
穏やかに私の前に、綺麗なスプーンを、置いた。
この子は。
お兄ちゃんの、どこに居るの?
“タカノ”は。
お兄ちゃんの、なに?
私は。
私、は…?