飛ばない蝶は、花束の中に



びっくりしたでしょう、と言われても。


私がびっくりしたのは、もちろん雅の顔色もあるけれど。




ものすごい勢いで来たあなたと。
街中でドラマのような抱擁をしたあなたと。

ずっと髭を触られているのに、真面目に喋っているつもりでいる、あなたの神経と。



それでは私が叱られてしまいます、と渋る彼をなだめるように、小首を傾げた雅の。



「ちょっと駄目かと思ったけど、宇田川さんの髭さわってたら落ち着きました」


やっぱり宇田川さんの髭は安心しますね、大好きです、との。


信じらんないくらいの、甘い笑顔。



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