飛ばない蝶は、花束の中に


とにかく、きっと大丈夫なので、深雪ちゃんと行かせてください。
なにかあったら、すぐに電話しますから、と。


雅は。

まだ渋った顔を見せる彼を後目に、私の手を引いた。




「みっ…深雪さん!」



え?私?
“み、雅さん”じゃないの?


私は、ひどく困った顔をしている彼を、うんざりしたような気持ちで振り返った。




「………なに?」

「…すみません、せめて…寄り道しないで帰宅してください」



わかっ…てるわよ。
今さっき、お兄ちゃんにも言われた!!


何よ、みんなして!

私は雅のママじゃないのよ!?




「……………」

「よろしくお願い致します」



かっちりと、堅い角度で頭を下げたまま言う彼に、私はイライラと。


モヤモヤと。



めんどくさいなあ、と。

正直な感想は、それに尽きた。




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