飛ばない蝶は、花束の中に
私は“タカノ”を知らない。
どうしてここに住むようになったのかも、知らない。
ずっと居るのかどうかも、知らない。
“タカノ”が何らかの理由で、ここから居なくなるとき、雅はどうなるの?
お兄ちゃんの元へ置いて行かれても、困る。
お兄ちゃんと2人になったら、雅はきっと…。
そんなの、嫌。
でも、“タカノ”に連れて行かれるのも、可哀想。
そんな風に思っていた私が見たものは。
「どうしてあなたはそうなんですか!」
一体、いつになったら、その無防備な行動を慎めるようになるんですか!
しょんぼりとうなだれて、床にぺたりと座る雅と。
しきりに、きつくネクタイを締め上げる髭の彼の、ぴしりとした正座姿。