飛ばない蝶は、花束の中に



「……雅は…」

お兄ちゃんを好きなの?
それとも“タカノ”、あんたをほんとに好きなの?



私は苦し紛れでもあったけれど、話を逸らし、目も。

逸らした。




「………雅ちゃんが…例え…」


凱を好きでも、と。

“タカノ”は不敵に笑う。


俺は離さないし、俺だけを見るようにしてやる、って。
思ってたし、今でも思ってるけど。

なかなか上手く、俺だけを見ちゃくんないんだよね、なんて。



小さな小さな、細い毛のような棘を、刺し込まれたような気が、した。




「…あんたがあんな仕事してるから信用ないんじゃないの?」


挙げ句、私にキスをするような、不誠実な態度取るから。




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