飛ばない蝶は、花束の中に
「そりゃわかんないよ。俺は凱司じゃないし、雅ちゃんじゃないもん」
推し量ることは出来ても、解りっこない。
そんな風に。
“解らない”事を、さも当たり前のように言った“タカノ”は、私がいきり立つのを楽しむかのように、目を細めた。
「あーあ、せっかく髪、綺麗にしてあげたのに」
ファーストキスが実の兄、だなんて痛々しい事態になるのも防いであげたのに。
まだ、解らないんだ?
「…なに、を…よ」
痛々しい、って何よ。
だって好きなんだもの、仕方ないじゃない。
「なら、雅ちゃんになったら?」
雅ちゃんになって、凱司に抱かれて、死ぬほど後悔すればいい。
「それで凱司と、一生会えなくなればいい」
あいつは、受け入れない、って言ったろ?