飛ばない蝶は、花束の中に
“タカノ”は、相変わらず私の居る、雅のベッドに腰掛けたまま。
怒っているようでもないのに、私には、ひどく怖いもののように思えた。
「……なによ…そんな、事」
そんな事言いに、わざわざ来たわけ?
誰が私を追い詰めたのよ!!
誰が、私にキスなんかして、こんなに傷つけたのよ!!
「あんたがキスなんかしなければ!私はお兄ちゃんにキスしなかった!!」
雅だと思えばできる、なんて酷いこと言われずに済んだのに!!
「遅かれ早かれ、深雪ちゃんがアクション起こせば…そうなるのは決まってたんだから、良かったじゃないか、ファーストキスが俺で」
無理矢理、自分からキスしてから振られるなんて、きっと嫌だと思うよ?
思い出したくもない記憶に、なるよ?
なんなら、初体験も済ませておく?
凱の妹だから、安くしとくけど?