飛ばない蝶は、花束の中に


「……………ごめん」

「駄目」


弱々しく呟いた“タカノ”を一蹴するかのように即答した雅は。

強張る私の指を、ゆるゆるとほどいた。



柔らかい指先の皮膚が、“タカノ”と同じくらい冷たくて。



「…深雪ちゃんも、…駄目」



あたし、全然人のこと言えないけど、と。

少しもニコリとしないまま、雅は私の手から、“タカノ”の指を、抜き取った。




「どう、しても…無くせないこと」

どうしても、欲しいこと。

ちゃんと…考えなきゃ。


凱司さんに、顔向け出来なくなるようなこと、しちゃ、駄目。



「…………って、宇田川さんが前に、言いました」


血の気が引くほどのショックを受けたはずの雅は、ふ、と柔らかく、ようやく。

目許を和ませた。



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