飛ばない蝶は、花束の中に
「……え?どういう…こと?」
確かに、小さい頃には気軽に…それこそ挨拶代わりにキスをしていた気がするけれど。
それとは、違う……んじゃないかしら…。
それとも、ファーストキスはお兄ちゃん、と思っていてもいいって事、かしら……。
いや、そんな事より……。
私と同じくらいには、この空気の変化に戸惑っているような雅が、戻らない顔色のまま、不安そうに視線を巡らしていることの方が、大事よね?
どうして“タカノ”は嬉しそうなのよ。
どうしてお兄ちゃんは満足そうなのよ。
「……あたし…今、どうなってるの…?」
「…………知らないわよ」
引き剥がされながらも“タカノ”の伸ばした腕に絡め取られたような雅が、不安も露わに、私をちらりと、見た。