飛ばない蝶は、花束の中に
「鷹野」
私を立ち上がらせて、その片腕でしっかり掴まえてくれたお兄ちゃんは。
戸惑う雅を膝に抱えた“タカノ”を呼んだ。
「代償は、雅か?俺に一晩貸すか?」
「ええっ!?」
お前、俺の妹に手ぇ出しかけたよな?
俺のメイドを泣かしたよな?
さあ、どう償う?
お兄ちゃんは、本気なような、冗談のような、そんな声色で、あっさりと雅を奪い取る。
控えめに“タカノ”に腕を伸ばした雅は、おろおろと視線をさまよわせて。
やっぱり控えめに、その腕から抜け出そうと、もがいた。