飛ばない蝶は、花束の中に
「情けないこと言ってんじゃないわよ!!」
あんたが悪いの?
ねぇ雅、あんたが何したの!?
「冗談でも、他の女にキスするような奴なんか………」
あんたに捨てられたって、文句言えないんだからね!?
思い切り。
“タカノ”の顔を、殴った。
掌が、痺れるくらいに。
「“ちょっとしただけ”程度のいたずらで、好きでもない奴にキスされた私だって!」
もっと怒っていいんだわ!
“タカノ”の唇の端が、僅かに切れた。
“タカノ”は、きっと避けられるだろうに。
私の2度目の平手打ちを、避ける素振りすら見せずに。
立ったまま、受けた。
…ふてぶてしいったら、ありゃしない。
そうよ。
色々悩んで落ち込んで。
もやもやした、はっきりしない思いを抱えたままでいたって、何にも進展しないんだから!