飛ばない蝶は、花束の中に
「……鷹野…お前………ガキに…何させてやがった」
「……特に…変わった事は…」
明らかに目が泳いだ“タカノ”は。
引きつった顔で、恐る恐る、雅の肩に、触れた。
ぴくり、と、その肩を震わせた雅は、ごめんなさい、と呟く。
毎回…手を使わないように練習するのに、なかなか巧くならなくて、と。
いつも、鷹野さんイかせてあげられなくて……だから……、なんて。
………
“タカノ”あんた…って、ほんとに…最低…よね。
「みッ…みみ雅ちゃん!…待って待って!その話、後で…!」
背後から慌てて雅の口を押さえ込んだ“タカノ”が、何とも言えない表情で、ちらりと、お兄ちゃんに視線をやった。
「……お前に“後で”は無い」
「違っ……!!」
「深雪、変態がうつる。こっち来い」
私と“タカノ”とに挟まれたまま、明らかに暴走ぎみの雅を軽々と抱き上げて、お兄ちゃんは。
意図は解るが、とてもじゃねぇけど可哀想で、俺にはそんな嘘吐けねぇよ、と。
尚も、口だけでってしたこと無かったから…、と呟いた雅の、その抱え上げたお尻をぱちんと叩き、お兄ちゃんは、お前も黙れ、と苦笑を浮かべた。