飛ばない蝶は、花束の中に


「……鷹野…お前………ガキに…何させてやがった」


「……特に…変わった事は…」



明らかに目が泳いだ“タカノ”は。

引きつった顔で、恐る恐る、雅の肩に、触れた。


ぴくり、と、その肩を震わせた雅は、ごめんなさい、と呟く。


毎回…手を使わないように練習するのに、なかなか巧くならなくて、と。

いつも、鷹野さんイかせてあげられなくて……だから……、なんて。




………

“タカノ”あんた…って、ほんとに…最低…よね。




「みッ…みみ雅ちゃん!…待って待って!その話、後で…!」


背後から慌てて雅の口を押さえ込んだ“タカノ”が、何とも言えない表情で、ちらりと、お兄ちゃんに視線をやった。





「……お前に“後で”は無い」


「違っ……!!」


「深雪、変態がうつる。こっち来い」



私と“タカノ”とに挟まれたまま、明らかに暴走ぎみの雅を軽々と抱き上げて、お兄ちゃんは。


意図は解るが、とてもじゃねぇけど可哀想で、俺にはそんな嘘吐けねぇよ、と。

尚も、口だけでってしたこと無かったから…、と呟いた雅の、その抱え上げたお尻をぱちんと叩き、お兄ちゃんは、お前も黙れ、と苦笑を浮かべた。




< 272 / 328 >

この作品をシェア

pagetop