飛ばない蝶は、花束の中に


「鷹野さん鷹野さん、あたしのもやってください!」


ここに来て増えた荷物を、いつでも運べるように玄関に置いてくれたのか、パタパタと、ベトナム風のスリッパを鳴らして、雅が。

深雪ちゃんより可愛く作ってください、なんて。

わざと私を見ながら、笑う。




「土台が違うでしょ。私の方が断然綺麗よ」


「…そんなこと無いですもん」




雅は、私を好きにはなれなかったんじゃないかな。

私が、お兄ちゃんの妹だから、色々我慢して。

“タカノ”を買おうとした私を憎んだ筈なのに、一度は内にこもって。





「絶対、私の勝ちよ」


「そっ…そんなこと…!……無くも…ない…かも」



そうよ。
私はお兄ちゃんの妹よ?

“タカノ”は綺麗だけど、お兄ちゃんの方がセクシーだもの。

同じ血を分けた私が、あんたより綺麗じゃないわけ、無いじゃない。




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