飛ばない蝶は、花束の中に


「………あ」


空港で私は、私のママを見つけた。
隣に立つ女の人は…きっと、髭の彼の…奥さん。

二週間、自分の誕生日を忘れていた夫と息子に。
謝られた瞬間から、すっかり拗ねてしまったという、あの。



私の姿を見つけたのか、目立つお兄ちゃんの姿を見つけたのか、立ち上がったママは、すごく嬉しそうで。

帰ったら叱られるんじゃないかと、ちょっと心配だった私の罪悪感を掻き立てた。





「お兄ちゃん、知ってたの?」

「当たり前だ。すぐ迎えに来ようとしてたからな、今日まで待って貰ってた」



そ、だったんだ…。

一度電話をしたきり、ママと連絡を取ろうなんて思わなかったから…。

お兄ちゃんが、ママと連絡を取り合ってた、なんてのも、初耳。




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