飛ばない蝶は、花束の中に
「ちょっ…ちょっと待って!」
そんな馬鹿な!
どうして私が“タカノ”の部屋に行かなきゃならないの!?
“雅”は、いそいそと布団の入った布製の包みを抱え上げるし、“タカノ”は可笑しそうに快諾するし。
私は、パニックを起こしたように、お兄ちゃんにすがりついた。
「お兄ちゃんの馬鹿っ!!私もう子供じゃないのよ!?」
一晩だって危ないのに、夏休み中の全ての夜を“タカノ”と一緒に居なきゃならないなんて!
私のバージンが!!!!
「…バージ…………」
呟きかけて、慌てて口を噤んだ“雅”を、思い切り睨みつければ、“雅”はあからさまに目を逸らす。
「ふぅん、深雪ちゃん処女かあ」
くすくすと含み笑う“タカノ”が憎々しい。
「お兄ちゃんは私が“タカノ”に犯られちゃってもいいの!?」
半泣きで必死に訴える私を見下ろして、お兄ちゃんは。
完全に呆れた顔で、頬をひきつらせた。