飛ばない蝶は、花束の中に



「…すっ飛んだ発想は相変わらずか」


「や…今のは凱が悪いだろ」



「…………え?」


“雅”が、俯き加減に傍まで来て、申し訳なさげに、視線を上げた。



「あの…あたしが…鷹野さんの部屋、です」


「……えぇっ………」



ちょっと………待って。

今…私……すごい事…叫んだような?




「あたしのベッド、今、お布団どかしてくるから………」


ほんのりと頬を染めて、囁くように続けた“雅”に、叫びながら掴みかかりたいような…そんな感覚。



恥ずかしすぎる。
恥ずかしすぎる。


ちらりと“タカノ”を見れば。


ニヤニヤ、とは違うけれど、明らかに面白がっていて。


恐る恐る見上げれば、お兄ちゃんは。

私にしがみつかれたまま拳を唇に当て、苦笑を噛み殺せずに。


空いた方の手で、私の頭を胸に押し付け、小さな頃みたいに、髪を。

かき混ぜた。



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