飛ばない蝶は、花束の中に
「それはそれ。黙って居なくなったら、心配するだろが」
「だって!!」
“雅”が、ボーンチャイナのような、滑らかな白の皿を、運んできた。
乗っているのは、パッと見の彩りは綺麗な、料理。
そういえば。
私が急に来て、材料は大丈夫だったのかしら。
こうしてお皿が並ぶまで、気にもしなかったけど。
「まあ、夏休みは泊めてやる。その代わり、母親ときちんと話をしろ」
ナイフとフォーク。
ピンク色の胡椒の粒。
グリルされたチキンと。
マッシュされた、ポテト。
それと、私の嫌いな…。
「トマト、いや?」
私が、皿の上の赤に向けた目を見たのか、“雅”は小首を傾げて、動きを止めた。
嫌、だけど。
作って貰ったものを嫌いだとか言ったら……。
今度こそ、お兄ちゃんに叱られる。