飛ばない蝶は、花束の中に
「私が行く」
「えっ」
ほんとは。
本当は。
お兄ちゃんと過ごしたい。
お兄ちゃんに、いろんな所に連れて行って貰いたい。
「なに!?」
「……やっ…だって!」
「私とじゃ嫌なの!?」
だけど!
あんまり“雅”が可哀想に思えて。
憎たらしいのは…確かなんだけど!
友達になんかなれっこないんだけど!
「それなら、いいでしょ!お兄ちゃん!」
まるで罪人みたいだ。
きっと大事にされているんだろうけれど。
どこに行くにも誰かが付いていて。
家事をするために、ここにいて。
部屋を明け渡して。
キスをするくらい、仲はいいんだとは思うけど、男の部屋に寝かされて。
それだって。
“雅”は夜のことだって。
勤めの一環だと、諦めていたりするような環境なんじゃないか、って。
疑いたくも、なるわよ!