飛ばない蝶は、花束の中に


「美術館、宿題?」

「うん、美術のプリントあるの。……あたし、ひとりで…大丈夫だと思…うんだけど…」


“タカノ”が、手を伸ばしてピンクペッパーの。
ミルのついたガラス瓶を逆さにして、“雅”の皿のマッシュポテトに、ガリガリと振り掛けた。



「俺、休みの日に一緒に行ってあげるよ?」


「………休みの日は…休んで欲しい、…ので…」

「大丈夫だよ、たまには雅ちゃんとデートしたい」


いっつも凱司とばかり出掛けてズルいじゃん?

「この前のお祭りだって凱司と行ってるし?凱司とばっかりデートしてさ」


「ちょっ…鷹野さん待っ……」



あわあわと、視線をさまよわせた“雅”がちらりと。

私を、見た。



ああ“雅”もわかってるんだ?
私が、嫉妬すること。

“タカノ”は…わざとだろうけど。



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