カラフルデイズ―彼の指先に触れられて―
ぞくり、と、電流のような刺激が足から頭へと駆け巡る。
自然に上がる口角と、力が入る手。
この感覚、久しぶり。
仕事をしてると、たまにこんなことが起きる。
だから、簡単には辞められない。
足早にデスクに戻り、自分が提案した簡単な資料を出すと、それに視線を落とした。
……よし。あとで企画と、開発も少し覗いてこよう。
どの程度の色が出せて、費用とか諸々を少しずつ具体的にしていかなきゃ。
ああ、なんか、こんな感じ。
乗ってるときの自分って。次々とすることが浮かんできて、それを遂行するためのスケジュールを組んで。
考えるものは、ちょっと未来(さき)。
その未来は、いいイメージしか浮かばない。
胸の奥で、小さな火が少しずつ大きくなっていく。
急に降りてきた、私の仕事の神。
あとはもう、その流れに身を任せるだけ。
「ちょっと出ます」
数枚増えた資料をコピー機から手にした足で、営業部を出た。
ここ最近の歩行速度とは比べ物にならない早さで、廊下を闊歩する。
エレベーターの階数表示を見ると、待ってられなくて階段を下って行った。
営業部のある8階から、開発のある5階を目指す。
タンタンタンッとリズミカルに響く靴の音。
その音に混じって人の声が聞こえてきて、無意識にその声の方へと顔を向ける。