乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】


返事をしないあたしの顔をそっと覗き込み、頬にキスしてきた。

陸さん…

いつもあたしが寝てるときにこんな事してくれてるのかな…

思い当たることは何回かあった。


ふわふわと現実と夢の間をさまよっているときに、優しく頬や口に注がれる温かいもの。

それは陸さんの唇だったんだ…


そう思ったら、目頭が熱くなった。


あたしの事…好きなんだよね?

それなのに…


それなのになんで嘘つくの…?



ねぇ陸さん…






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