乱華~羽をくれた君~Ⅱ【完】



翌日の土曜日、この日は午後からバイトが入っていた。

憂鬱な気分だけど、休むことはしたくない。

今日は舞香とシフトが重なっていたので少し気が楽だ。


あの日から、あたしはユニフォームを毎日持ち帰っている。

バックれる人が多いので、帰りにロッカーの鍵は回収される。だから鍵をかけて置いて帰るわけにもいかなかった。

盗んだ犯人が誰かもわからないし、店長は犯人探しもしていない様子。

また同じ事をされたら嫌だし、面倒だけどユニフォームは持ち帰るしかない。



着替えようとロッカーを開けたとき、あたしは自分の目を疑った。


ユニフォームが…切り裂かれている。


あたしの名札も付いているし、これは…最初にもらったユニフォームに間違いない。

いつの間に!?

というか…一体誰が…!?


頭がパニックになって、その場に立ち尽くした。



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