恋する季節 *- confession of love -*
それは高校、大学と場所を変えても変わらなかった。
男子と話す度に、それを見ている女子に睨まれているような気がして……怖くて仕方ない。
そんな状況にいる美琴に手を差し伸べたのが、大学で知り合った大和だった。
大和は男嫌いという美琴にどうにかして自分と一緒にいる事に慣らさせようと、二年弱という月日を経て美琴の緊張を解いていった。
ふたりだと美琴が怖がるからと、いつも彩乃を合わせた三人で行動して、美琴がひとりの時には目が合っても微笑むだけで近づこうとはしなかった。
そんな時期を過ごして二ヶ月が経った頃、講義の時初めて隣の席に座った。
それまでは必ずひとつ開けて座ってた大和が、「いい?」と美琴の許可をとってから隣に座って。
美琴も緊張はしたけれど、嫌だとは思わなかった。
そんな事を繰り返して、大和がじょじょに埋めていったふたりの距離。
大和が美琴にどうして男嫌いなのかを聞いたのは、講義の時隣に座るのもすっかり定着して、それに美琴も緊張しなくなった頃だった。
それまでとは違い、一歩踏み込んだ質問だとは気付いた美琴だったが、自分の気持ちを大和に言う事に抵抗は感じなかった。