恋する季節 *- confession of love -*
「ごめんね、大和……」
浅海に頼まれた事、今までの自分が大和にも周りの子にも胸を張れるような付き合いをしてこられていなかった事。
言いたい事はたくさんあった。謝りたい事もたくさんあった。
どうすれば大和から不安を取り除けるのか、何を言えば大和が笑ってくれるのかも短い時間の中で考えた。
だけど、思いつくどんな事よりも伝えたい言葉が美琴にはあって。
そしてきっとそれが大和が一番望んでくれている言葉で――。
「私……大和が好き」
ずっと言えなかった言葉が、驚くくらいにすっと声になった。
ドキドキと緊張はしていたけれど、今までの、言葉を発するのも無理なほどなそれとは違っていた。
一ヶ月も待たせておきながらこんな風に思うのは申し訳ない事かもしれないけれど……今が、言うべきタイミングだたのかもしれない。
美琴がそう思うほど、本当に自然に気持ちが言葉になっていた。
じっと、目を逸らす事なく見つめる美琴に、大和の瞳が揺れる。
「友達としてじゃなくて、大和が私を好きでいてくれるのと同じように、私も大和が好き……」
「美琴……」
「好き……」
繰り返す美琴に、ただただ驚いていた大和だったが……。
そっと目を閉じてから、自分の頬に触れている美琴の手を上から握る。
それから、ふっと微笑んだ。
「俺もすげぇ好き」
そう微笑む大和の表情は本当に柔らかく優しく……嬉しそうで。
それを見た美琴も、そんな大和に嬉しくて堪らなくなる。
何度も想像した通りの大和の表情に、嬉しくて涙まで浮かんできそうだった。