絶滅危惧種『ヒト』
その後しばらくは、南極の話しだとか、南極に乗り込む直前に滞在するオーストラリアの話しだとかで盛り上がったけれど、

五時半になり、梓の母で孝明の姉である紀子が帰宅したところで、朋美は自宅に帰ることにした。



「それじゃあ……あっ、そうだ」


朋美は携帯電話を取り出すと、孝明に「電話番号を教えてください」と頼んだ。


「ちょっと朋美ぃ~~」


「いいじゃん別に」


咎めた梓に向かって朋美は悪びれずに答える。


「ごめん。日本にいることが少ないんで、携帯電話は持ってないんだ」


孝明が残念そうに答えた。



「えっ、そうなんですか」


朋美も残念そうに答える。


「ああ、じゃあ明日買いに行ってくるから、君の番号教えといてよ」


「はい。え~とですねぇ~」


朋美は嬉しそうに番号を教えて、孝明がそれを手帳に書きとめた。


「朋美本気なの?」


梓は親友に対して、何だかヤキモチに似た感情を覚えていた。

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