絶滅危惧種『ヒト』
残された梓は、色々と彼氏のことを聞かれるのがイヤで、朋美を玄関まで送ったタイミングで、そのまま二階の自室に引き上げる。


六時半を回った頃、父の彰洋が帰ってきて、夕飯の用意が出来たと妹の栞が呼びにきた。


家族揃っての夕飯が始まる。


「美味そう~~~~」


目を輝かせる孝明に「美味そうじゃなくて、美味しいのよ」と、姉の紀子が笑顔で言った。



「お疲れさん」


義兄の彰洋が缶ビールを差し出すと、二人は缶と缶を合わせて乾杯をする。



孝明は日本では紀子の実家でもある小林家に住んでいるのだが、すでに両親も他界しているため、一人暮らしだった。


そのため日本に帰って来た日は、必ず姉の嫁ぎ先である岩崎家に立ち寄るのだ。


いつも明るい食卓ではあるが、今夜は特に笑いが絶えなかった。


「あっ! 忘れてた」


和気藹々(ワキアイアイ)の団欒の途中、孝明が声を上げる。


「どうしたの?」
「何よ?」


みんなが驚いて聞いた。

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