絶滅危惧種『ヒト』
「じゃあ使う分だけで、後は冷凍庫に入れとくね」


孝明は嬉しそうに言うと、氷を冷凍庫に入れて、半分をテーブルに持ってきた。


彰洋はさっそくビールを終わらせて、ウイスキーの用意をする。




「あっ、義兄さん。俺はいいから」


「何で?」


「何でって、いつもビールしか飲まないでしょ? 苦手なんだよね洋酒も日本酒も」



「何だよ、勿体無いなぁ、せっかくの氷なのに」




「せっかくって言うけど、結局はただの氷でしょ?」


梓が呆れたように言った。



「バカ言え。これはなぁ、何万年も前の氷の単結晶なんだぞ」


孝明が大袈裟に言う。



「えっ、それってすごいの?」


普段聞き慣れない言葉だから、梓はそれが本当にスゴイものなのだろうと咄嗟に思った。


「あったりまえじゃん!」


「へぇ~~~」


梓は普段見慣れた氷とさして変わりのない、目の前に置かれた氷を見つめた。

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