絶滅危惧種『ヒト』
「どんなヤツなんだ?」


彰洋が梓を睨む。




「いや……どんなっていうか……」


「桜小路聖人くんっていってさぁ、うちの学校で一番頭が良いって評判の人だよ」


梓より先に栞が答えた。


「ちょっと栞!」



「何よ~事実でしょ?」


「それは……」


「お父さんもお兄さんもお医者さんっていう、超エリートだよ」



「そうなのか?」


彰洋が少しだけホッとしたような顔をする。




「何でアナタがそんなに知ってるのよ?」


梓が栞を睨んだ。


「だって有名人じゃん。私たち一年生でも知らない人いないってば」


栞は悪びれる素振りもなく平然と答える。


「で、その彼も医者に?」


「えっ……」


父にジッと見つめられて、梓はツバを飲み込んだ。

< 26 / 223 >

この作品をシェア

pagetop