絶滅危惧種『ヒト』
白い乗用車が駐車場に現れて、孝明の笑顔が見える。


朋美も自然と笑顔になり、すぐに助手席に乗り込んだ。


「すごいですねぇこんな良い車持ってるんだ?」


「あはは。わナンバーだったでしょ」


孝明が嬉しそうに笑う。


「え? わナンバーって?」


朋美は意味が分からなくて聞き返した。



「ナンバープレートの平仮名のとこが『わ』ってこと」



「えっ……っと、それはどういう意味?」


聞いてもよく分からない。


「レンタカーだよ」


「あぁ、なるほど。なんだレンタカーなんだ」


「だってずっと南極にいるんだぜ。日本に帰って来る度に、車検が切れてて、その都度受けなきゃ乗れない状態になってるし、税金や保険だってムダになるだろ」


「あぁ、そりゃそうですよね」


朋美は頷いた。



「まぁ、でも、今回はマジで転職を考えてるからさぁ、朋美ちゃんが助手席に乗りたいと思う車を買っちゃおうかな」


孝明がニヤリと笑う。


「本当ですか?」


おそらくは冗談なのだろうけど、朋美は嬉しくて目を輝かせた。

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