絶滅危惧種『ヒト』
「まぁ、まだ伝染性って決まったわけじゃないからな」


「そうなの?」


「ああ、まだ何も分かってないってのが事実だ。そもそもウイルスなのか細菌なのかも特定されてないし」


「そうか……」


聖人が頷く。



「あの~」


梓が横から申し訳なさそうに入って来た。


「何だい?」


直樹が聞く。


「ウイルスと細菌って、違うモノなんですか?」


「え? ぁ、ああ……。結構一緒だと思ってる人がいるみたいだけど、実は違うんだ」


「へぇ~そうなんですか」


「まず細菌の核酸はDNA及びRNAで構成されているけど、ウイルスはそのどちらかでしか」


「ちょっと待った!」


説明を始めた直樹に聖人が口をはさむ。


「何だ?」


「梓にRNAとか言っても無理だってば。もっと簡単に説明してやらなきゃ」


「ああ、そうか……。すまん」


直樹が謝った。


確かに聖人の言うとおり、RNAとか言われても、チンプンカンプンなんだけど、ハッキリ言われると何だかムカツク。

梓は心の中で聖人を睨んだ。

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