伯爵令嬢は公爵様と恋をする
Vol.22
「ここにいたのか」
「ディー様!!」
まるで私の全てを包み込むかのような優しく柔らかな低音が耳に届く。
途端に反応した私は全身で駆け出し、月明かりの中に佇む彼に思い切り両腕をのばした。
大きな背中に腕を回せば彼の体温を感じられる。
薄いシャツから伝わる温度はいつもより高い。
ディー様はいつもより幾分強い力で抱きしめ返してくれる。
だから私も強く抱きついて、彼の存在を確かめていた。
帰ってきてくれた。
無事に、約束通り戻ってきてくれた。
「ディー様…」
この想いをどうすれば言葉に出来るんだろう。
心の奥底から溢れだす嬉しさと安堵感に、形に出来るのは涙ばかりになる。
信じていたけれど、心配だった。
不安だった。
あなたを思えば思うほど、いてもたってもいられなかったの。
だけどそんなことどうでもいい。
こうして帰ってきてくれただけで、抱きしめ合えるだけで…こんなにも幸せで、こんなにもあなたを愛しく感じてる。
自分から強くぎゅっと抱きつくなんて初めてかもしれない。
でもそうせずにはいられない。
耳元で彼の苦笑する吐息が聞こえたけど、それすらも嬉しく感じてしまうくらいなの。
「こんなに歓迎されるなんて、予想以上だ」
「…ッ」
「すまない、心配させたな」
「…ううん…っく」
「真実が少し分かったよ。これからもっとたくさんの事実が見えてくるはずだ」
「ん、うん…」
「もうすぐ全て片が付くから。大丈夫だ」
「…ん」
「エル」
「は、い」
「ご褒美をねだっても?」
「っ、ん」
とめどなく流れる涙を止める術もなく泣きじゃくる私がこくりと頷くと同時。
そっと離れた彼からふわりと、口づけが降りてくる。
いつもなら軽く触れあうようなそれが、今は違っていた。
互いの想いを伝えあいながら確かめ合うようにゆっくりと重ね合わせ、食むように何度も唇を求め合う。
浅い呼吸さえ煩わしいと思ってしまうくらい甘く、胸を締め付けるほど切ない口づけをどちらからともなく重ね合った。
合間に彼の唇は涙に濡れている目元へやってきては小さなリップ音をたてて涙を拭っていく。
そうして再び私の唇へ戻ってきて、気付けば確かな意志を持った彼の舌が口腔内を探っていた。
促されるままに互いの舌を絡めあえば、呼吸も意識も…感情さえも全て奪われていく。
どのくらいそうしていたか分からないけれど、最後に軽く唇どうしを触れ合わせて僅かな距離が二人の間に出来た時、咄嗟に彼の腕が抱きしめてくれなければ、私の体は地面に崩れ落ちていたかもしれない。
逞しい彼の腕に支えられて、そのまま二人で青い芝生の上に座り込んだ。
月明かりだけが私たちを見守っている静寂に満ちた庭園で、彼の鼓動だけが耳に届く。
ゆっくりと、けれど力強く脈打っている。
「生きてる」
小さく呟けば、ディー様は優しく笑って頷いてくれた。
「約束は必ず守る」
「本当に…良かった…」
ぎゅっと彼のシャツに縋ると、大きな掌が私の手をすっぽり覆い隠してしまう。
その甲に切り傷を見つけた。
大きくはないけれど傷口がぱっくりと開いている事に気付いて、私はそっと絹のハンカチを取り出してくるりと巻きつける。
「ありがとう、エル」
「痛みますか?」
「いや。このくらいかすり傷だ、慣れてるよ」
「他に傷は?」
「ない。…多分」
「後でちゃんと手当しましょうね。他にも怪我していないか確かめますから」
「もちろんエルがやってくれるんだろう?」
「はい」
そう躊躇うことなく頷けば、ディー様は満足そうに「そうか」と呟きながら抱きしめる腕に力を込めた。
一層抱き込まれて、彼だけが持つ爽やかなのに甘い香りが鼻をくすぐる。
少しだけ埃っぽさも交じっているみたい。
同じ香りがするはずの書斎にいても落ち着かなかったのに、今はこんなにも心が凪いでいる。
やっぱり実物がいなくちゃダメなんだわ。
私いつからこうなったのかしら。
初めてここへやってきた夜の事を昨日の事のように覚えているけれど、あの頃とは全然違う自分の感情に気付くと何だか無性に照れくさい。
自覚してしまえば頬が火照るのは一瞬の事。
ディー様から見えていなくて良かった。
大人しく抱えられたままの私の髪を彼は何度も撫でながら掌で弄んでいる。
頭上から流れる隆線を辿る掌が、小さな子供にするのとは違っていることぐらい分かってる。
彼がくれるたくさんの感情にも、戸惑う事はもうないだろう。
この感情に当てはまる言葉はたった一つね。
「ディー様」
「ん?」
「…愛しています」
「!?…エル…?」
ばっとディー様は身体を離して私の顔を覗き込んでくる。
は、恥ずかしい!!
「あ、あの、や、ダメです!今は見ないで!」
「ダメだ、見る!」
「えっ」
「見せてくれ…エル…」
「でも」
「ものすごく可愛い顔をしてる。綺麗な瞳だ…」
「!?」
彼の掌に促されるまま抵抗する間もなく、アイアンブルーの瞳を見上げた。
熱い、感情の浮かんだ瞳が私の心を捕える。
吸い込まれるように引き寄せられて交わした口づけは、先刻交わした感情任せのものとは違ってとても静かなものだった。
まるで誓いを立てるかのような、厳かなもの。
そうして再び彼の胸に抱きこまれた時に聞こえたのは
「愛してる」
心底嬉しそうな彼の柔らかな囁きだった。
お屋敷の中へ並んで戻った私たちを出迎えたのは、執事長とメイド長をはじめとした数十人の行列で、誰もが皆ディー様の帰還に安堵している様子だった。
そしてディー様と私の様子を見てにっこりと、本当にきれいに「にっこり」と微笑みを浮かべていた。
…だって、今は片時も離れたくないと思ってしまったんだもの。
彼らの視界に映ったのは互いの手を固く握りあって繋がれた、私たちの手。
ブルクハルトさんに至っては何故か目にきらりと光るものが見えたような気がするけど…気のせいかしら?
すぐに彼はディー様に歩み寄り
「湯あみの準備は整っております。アルトゥール様は先に客室にて汚れを落としておいでです」
いつものパーフェクト執事に戻っていた。
ディー様も頷いて浴室へ向かう事に決めたらしい。
私は先に書斎でお茶を用意して待つことにした。
そして数十分後、書斎にきれいさっぱり汗や汚れを落としてすっきりしたようなディー様とアルトゥール様が戻ってきた。
二人に温かな紅茶を注いで、料理長が作ってくれた軽い夜食を用意する。
アルトゥール様は先ほどブルクハルトさんたちが浮かべたのと同じ微笑みを浮かべて、隣り合わせに座ったディー様と私を眺めていた。
「どうやら上手くいったらしいね。僕も頑張った甲斐があったよ」
「ああ、本当にアルにはたくさん助けられたな。感謝している」
「いいよ感謝だなんて。それで、婚約披露の後は間を置かずに婚礼になるのかな?」
こ、婚礼!?
思わずその単語に反応してディー様を見上げてしまう。
すると彼は穏やかな笑みを浮かべてこちらを見ると、アル様に向かって小さく頷いて見せた。
そ、そうなのね?
急に実感してドキドキしてしまうけれど、すぐにディー様の横顔が真剣なものに変わったことで私の気持ちも引き締まる。
「出来るだけ早くそうしたいが、その前に片付けなければいけないことが山積みだ」
「モーリッツ伯爵の事だね」
二人の口調はいつにもまして鋭さを増していた。
私は静かに耳を傾ける。
するとディー様がこちらに向き直って
「いくつか分かった事があるが…覚悟はいいか?」
と優しく問いかけてくれた。
こくりと頷いて、彼を見上げる。
覚悟ならとっくの昔に出来ていたもの。
大丈夫。
「アウシュタイナー伯を殺害したのは、十中八九アウラー男爵だ」
「!?」
「父君が亡くなった夜、男爵が父君に会っていたと証言が取れた。証拠がない以上立証するのは難しいが、間違いないだろう」
「アウラー男爵がバルツァー侯爵と密会していた場所も特定できたから、二人が繋がっていることも確かだよ。ただ、僕たちは大きな壁にぶち当たった」
「壁?」
「モーリッツ伯だ」
「彼は筆頭公爵家の遠縁にあたる。表向きは善良に見えるけどね、決して潔白じゃない人間だ。大きな権力によって見逃されてる人間だから」
「優位な身分を持っていながらバルツァー侯爵が彼に近付いたのは、恐らくそうした特権についてよく理解しているからだろう。侯爵が彼を利用しているのか、彼が侯爵たちを利用しているのかは分からないが…」
つまりどちらにしてもこちらが不利であることは間違いない。
「筆頭公爵にお話をしても誤魔化されてしまうか、最悪の場合ディー様が不敬罪に処される可能性もあるという事ですね?」
「そうだ。彼らを追い詰めることが出来なくなる」
「となると突破口を見つけなきゃ。レオンはどこまで真実に辿り着いたかな…」
アルトゥール様の呟きが空中に溶けていく。
そして沈黙が重く広がりかけた頃、エントランスの大扉が重厚な音を立てた。
こちらに向かって急ぐ足音が微かに聞こえる。
開け放たれていた入口に姿を見せたのは、自信と確信に満ちたレオンの姿だった。
続く
「ここにいたのか」
「ディー様!!」
まるで私の全てを包み込むかのような優しく柔らかな低音が耳に届く。
途端に反応した私は全身で駆け出し、月明かりの中に佇む彼に思い切り両腕をのばした。
大きな背中に腕を回せば彼の体温を感じられる。
薄いシャツから伝わる温度はいつもより高い。
ディー様はいつもより幾分強い力で抱きしめ返してくれる。
だから私も強く抱きついて、彼の存在を確かめていた。
帰ってきてくれた。
無事に、約束通り戻ってきてくれた。
「ディー様…」
この想いをどうすれば言葉に出来るんだろう。
心の奥底から溢れだす嬉しさと安堵感に、形に出来るのは涙ばかりになる。
信じていたけれど、心配だった。
不安だった。
あなたを思えば思うほど、いてもたってもいられなかったの。
だけどそんなことどうでもいい。
こうして帰ってきてくれただけで、抱きしめ合えるだけで…こんなにも幸せで、こんなにもあなたを愛しく感じてる。
自分から強くぎゅっと抱きつくなんて初めてかもしれない。
でもそうせずにはいられない。
耳元で彼の苦笑する吐息が聞こえたけど、それすらも嬉しく感じてしまうくらいなの。
「こんなに歓迎されるなんて、予想以上だ」
「…ッ」
「すまない、心配させたな」
「…ううん…っく」
「真実が少し分かったよ。これからもっとたくさんの事実が見えてくるはずだ」
「ん、うん…」
「もうすぐ全て片が付くから。大丈夫だ」
「…ん」
「エル」
「は、い」
「ご褒美をねだっても?」
「っ、ん」
とめどなく流れる涙を止める術もなく泣きじゃくる私がこくりと頷くと同時。
そっと離れた彼からふわりと、口づけが降りてくる。
いつもなら軽く触れあうようなそれが、今は違っていた。
互いの想いを伝えあいながら確かめ合うようにゆっくりと重ね合わせ、食むように何度も唇を求め合う。
浅い呼吸さえ煩わしいと思ってしまうくらい甘く、胸を締め付けるほど切ない口づけをどちらからともなく重ね合った。
合間に彼の唇は涙に濡れている目元へやってきては小さなリップ音をたてて涙を拭っていく。
そうして再び私の唇へ戻ってきて、気付けば確かな意志を持った彼の舌が口腔内を探っていた。
促されるままに互いの舌を絡めあえば、呼吸も意識も…感情さえも全て奪われていく。
どのくらいそうしていたか分からないけれど、最後に軽く唇どうしを触れ合わせて僅かな距離が二人の間に出来た時、咄嗟に彼の腕が抱きしめてくれなければ、私の体は地面に崩れ落ちていたかもしれない。
逞しい彼の腕に支えられて、そのまま二人で青い芝生の上に座り込んだ。
月明かりだけが私たちを見守っている静寂に満ちた庭園で、彼の鼓動だけが耳に届く。
ゆっくりと、けれど力強く脈打っている。
「生きてる」
小さく呟けば、ディー様は優しく笑って頷いてくれた。
「約束は必ず守る」
「本当に…良かった…」
ぎゅっと彼のシャツに縋ると、大きな掌が私の手をすっぽり覆い隠してしまう。
その甲に切り傷を見つけた。
大きくはないけれど傷口がぱっくりと開いている事に気付いて、私はそっと絹のハンカチを取り出してくるりと巻きつける。
「ありがとう、エル」
「痛みますか?」
「いや。このくらいかすり傷だ、慣れてるよ」
「他に傷は?」
「ない。…多分」
「後でちゃんと手当しましょうね。他にも怪我していないか確かめますから」
「もちろんエルがやってくれるんだろう?」
「はい」
そう躊躇うことなく頷けば、ディー様は満足そうに「そうか」と呟きながら抱きしめる腕に力を込めた。
一層抱き込まれて、彼だけが持つ爽やかなのに甘い香りが鼻をくすぐる。
少しだけ埃っぽさも交じっているみたい。
同じ香りがするはずの書斎にいても落ち着かなかったのに、今はこんなにも心が凪いでいる。
やっぱり実物がいなくちゃダメなんだわ。
私いつからこうなったのかしら。
初めてここへやってきた夜の事を昨日の事のように覚えているけれど、あの頃とは全然違う自分の感情に気付くと何だか無性に照れくさい。
自覚してしまえば頬が火照るのは一瞬の事。
ディー様から見えていなくて良かった。
大人しく抱えられたままの私の髪を彼は何度も撫でながら掌で弄んでいる。
頭上から流れる隆線を辿る掌が、小さな子供にするのとは違っていることぐらい分かってる。
彼がくれるたくさんの感情にも、戸惑う事はもうないだろう。
この感情に当てはまる言葉はたった一つね。
「ディー様」
「ん?」
「…愛しています」
「!?…エル…?」
ばっとディー様は身体を離して私の顔を覗き込んでくる。
は、恥ずかしい!!
「あ、あの、や、ダメです!今は見ないで!」
「ダメだ、見る!」
「えっ」
「見せてくれ…エル…」
「でも」
「ものすごく可愛い顔をしてる。綺麗な瞳だ…」
「!?」
彼の掌に促されるまま抵抗する間もなく、アイアンブルーの瞳を見上げた。
熱い、感情の浮かんだ瞳が私の心を捕える。
吸い込まれるように引き寄せられて交わした口づけは、先刻交わした感情任せのものとは違ってとても静かなものだった。
まるで誓いを立てるかのような、厳かなもの。
そうして再び彼の胸に抱きこまれた時に聞こえたのは
「愛してる」
心底嬉しそうな彼の柔らかな囁きだった。
お屋敷の中へ並んで戻った私たちを出迎えたのは、執事長とメイド長をはじめとした数十人の行列で、誰もが皆ディー様の帰還に安堵している様子だった。
そしてディー様と私の様子を見てにっこりと、本当にきれいに「にっこり」と微笑みを浮かべていた。
…だって、今は片時も離れたくないと思ってしまったんだもの。
彼らの視界に映ったのは互いの手を固く握りあって繋がれた、私たちの手。
ブルクハルトさんに至っては何故か目にきらりと光るものが見えたような気がするけど…気のせいかしら?
すぐに彼はディー様に歩み寄り
「湯あみの準備は整っております。アルトゥール様は先に客室にて汚れを落としておいでです」
いつものパーフェクト執事に戻っていた。
ディー様も頷いて浴室へ向かう事に決めたらしい。
私は先に書斎でお茶を用意して待つことにした。
そして数十分後、書斎にきれいさっぱり汗や汚れを落としてすっきりしたようなディー様とアルトゥール様が戻ってきた。
二人に温かな紅茶を注いで、料理長が作ってくれた軽い夜食を用意する。
アルトゥール様は先ほどブルクハルトさんたちが浮かべたのと同じ微笑みを浮かべて、隣り合わせに座ったディー様と私を眺めていた。
「どうやら上手くいったらしいね。僕も頑張った甲斐があったよ」
「ああ、本当にアルにはたくさん助けられたな。感謝している」
「いいよ感謝だなんて。それで、婚約披露の後は間を置かずに婚礼になるのかな?」
こ、婚礼!?
思わずその単語に反応してディー様を見上げてしまう。
すると彼は穏やかな笑みを浮かべてこちらを見ると、アル様に向かって小さく頷いて見せた。
そ、そうなのね?
急に実感してドキドキしてしまうけれど、すぐにディー様の横顔が真剣なものに変わったことで私の気持ちも引き締まる。
「出来るだけ早くそうしたいが、その前に片付けなければいけないことが山積みだ」
「モーリッツ伯爵の事だね」
二人の口調はいつにもまして鋭さを増していた。
私は静かに耳を傾ける。
するとディー様がこちらに向き直って
「いくつか分かった事があるが…覚悟はいいか?」
と優しく問いかけてくれた。
こくりと頷いて、彼を見上げる。
覚悟ならとっくの昔に出来ていたもの。
大丈夫。
「アウシュタイナー伯を殺害したのは、十中八九アウラー男爵だ」
「!?」
「父君が亡くなった夜、男爵が父君に会っていたと証言が取れた。証拠がない以上立証するのは難しいが、間違いないだろう」
「アウラー男爵がバルツァー侯爵と密会していた場所も特定できたから、二人が繋がっていることも確かだよ。ただ、僕たちは大きな壁にぶち当たった」
「壁?」
「モーリッツ伯だ」
「彼は筆頭公爵家の遠縁にあたる。表向きは善良に見えるけどね、決して潔白じゃない人間だ。大きな権力によって見逃されてる人間だから」
「優位な身分を持っていながらバルツァー侯爵が彼に近付いたのは、恐らくそうした特権についてよく理解しているからだろう。侯爵が彼を利用しているのか、彼が侯爵たちを利用しているのかは分からないが…」
つまりどちらにしてもこちらが不利であることは間違いない。
「筆頭公爵にお話をしても誤魔化されてしまうか、最悪の場合ディー様が不敬罪に処される可能性もあるという事ですね?」
「そうだ。彼らを追い詰めることが出来なくなる」
「となると突破口を見つけなきゃ。レオンはどこまで真実に辿り着いたかな…」
アルトゥール様の呟きが空中に溶けていく。
そして沈黙が重く広がりかけた頃、エントランスの大扉が重厚な音を立てた。
こちらに向かって急ぐ足音が微かに聞こえる。
開け放たれていた入口に姿を見せたのは、自信と確信に満ちたレオンの姿だった。
続く