HIVに捕らわれて
彼女の声を僕の細胞から引き剥がす作業。


僕は一本一本の神経を手繰り寄せ、目に詰まった欠片を、掘り起こしました。


サキの声。


それは僕に遠い日に見た太陽を思い出させました。


陽の光のようなささやき。




僕にこびりついている。

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