トシノサレンアイ- 狼と仔猫 -
02.再会
『またな、変なヤツ』
意味深な言葉。
どういうことなんだろう。
その言葉が、あの日からずっと頭から離れない。
「谷口、23ページを読んでみろ」
だって、会ったばかりの男女がどうしてまた“会える”のよ?
しかも、彼の言い方は妙に確信めいていた。
「たーにーぐーちー、聞いとるのか?23ページだ!」
また、あたし達会えるの?
……どうして、こんなに期待しちゃってるんだろ。あたし。やだなぁ、もう。
「谷口セツナ!」
「へ、ああ、はいっ?」
「はいっ?じゃないだろう。お前今日居残りな」
「えええー!そんな~……」
あはは、と教室に笑い声が広がる。
ううう、どれもこれも、全部あの男のせいだ。
もし、また会えたら文句言ってやろう。