俺のもんだろ Ⅲ



あたしが呆然と女の子の後ろ姿を



見送っていると....






「美夜ちゃん?」




と、聞いたことのある声がする。




驚いて振り向くと....







あ....



「斗里くん...!」





やっぱり、『待てって』って言う声の主は



斗里くんだった。






「今、ぶつかってたよね。大丈夫?」



「あ、あたしは全然平気だよ。あの....今の子って....」





「....姉貴のこと?」




あ....


やっぱり、亜里ちゃんだったんだ...。






自然と顔が引きつってしまっていたみたいで...



斗里くんは切なげに顔を歪めた。






「美夜ちゃんは...姉貴のこと嫌い?」




「え...?」







予想もしてなかった質問に、驚いて答えに



つまる。






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