おかしな二人


頭の中では、バーで紳士的にしていた岸谷さんの顔や、凌とついさっき終わってしまった奈菜美さんの顔がチラチラと過ぎっていた。
大きなソファにゆったりと座り、グラスを傾けていた凌の顔も。

あたし、何でこんな風に抱きしめられてるんだろう……。

グルグル回る三人の顔。
思考もグルグルとかき混ぜられて、考えなきゃいけないことがなんなのか判断を鈍らせる。

そんな中、角から現れた一人の人だけが、こっちを向き大きな目を見開いたまま立ち止まった。

その瞬間、あたしの心臓が大きく跳ね上がる。
グルグル巡っていた三人の顔全部が吹き飛んで、真っ白になった。


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