おかしな二人
「貰ったら嬉しいんやろ? こんな凄い物貰ったら、脅迫じみてて付き合わんわけにはいかんのやろっ?」
高級品だというのを理解しているはずなのに、乱暴にアクセサリーを取り出すと、チェーンをはずしあたしの首へと手を回す。
近づいた距離に、心が先に反応した。
トクトクと。
ドキドキと。
回した腕が、ゆっくりと離れて行く。
同時に、あたしの首元には、ハートのチャームがキラキラと揺れた。
「あたしに……?」
「他に誰が居るん?」
いつもと同じセリフで訊くと、いつもと同じセリフで返される。
「大切な人って……あたし……?」
「しつこいわ……」
照れたように俯く英嗣。
気がつけば、やっぱり涙は溢れ出ていて、もう顔はグチャグチャだ。
「汚ったないなぁ。洟、出てんで」
笑いながらそう言い、近くにあったティッシュで鼻をぎゅっとつままれた。
「洟なんか……でてないもん……」
ぐりぐりと鼻を摘ままれながら、涙はとめどくなく溢れ出て一向に止まらない。
「ぁあ。ほんまに、何でこないな泣き虫を好きになったんやろ。めんどくさい女やなぁ」
そう零しながらも、英嗣はあたしを優しく抱きしめてくれた――――。