おかしな二人
散々泣きはらした翌日のお昼。
あたしの瞼はいいように腫れてしまって、お皿を数えるお化けのようだ。
けれど、彼女のように皿を割った責任を擦り付けられているわけじゃない。
凌があたしに対して抱いている感情を、他人に擦り付けられるわけがない。
これは、あたし自身の問題。
凌の事を考えれば、胸の中がえもいわれぬ感情で苦しくなっていく。
それこそ、食器棚に納まるお皿たちを次々に投げ捨てて割り、スッキリしたいところだが、そんなわけにもいかない。
モヤモヤと心の中に渦巻く、どうしたらいいのか判らない現状に頭を擡げた。
それでも、胸元のペンダントにそっと手を置けば、そのモヤモヤも少しは晴れていくようだった。
結局、泣くだけ泣いて、英嗣には凌との間に何があったのか、なんの説明もしないままになってしまった。
明け方まで帰りを待っていてくれた英嗣が温めなおしてくれたミルクを飲み、あたしはベッドにもぐりこんで眠りに着いた。
英嗣も、無理に訊き出そうとはせず、何も考えんと、今日は寝てまえ、と優しい言葉をかけてくれた。
徹夜で凌の看病をしていたあたしは、英嗣の優しさに安心し、ほんの僅かな時間で眠りに落ちる事ができた。