DL♥ロマンティックに抱きしめて。

肩の開いた赤いドレスを身にまとい、大きく手を振る女性。

スタイルはけして悪くは無いと知っていたけれど、体のラインをこれでもかと強調するそれを着こなしている姿に驚きを隠せない。

首にはこのホテルにも負けない程キラキラしたネックレスに、耳には同じようなピアス。
そして、その口元にはドレスにも負けない程に艶やかな真っ赤な口紅。

一瞬人違いじゃないかと疑ってしまう。


あ…あの、平凡なお母さんは何処へ?


地味なTシャツにズボン。
それがお母さんのいつもの格好なはず。

精々お洒落をしても、いつかの食事で膝丈ワンピースを着てたぐらい。

しかもそれだって、「高かったのよ~」なんて言ってたはずなのに。


ど…どうしちゃったの!??



「実習お疲れ様。あ!蒲生先生もお疲れ様♪」



目の前に歩いてきたお母さんがニコッと笑って口を開いた。

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