恋愛



自分より若い子になんだか小馬鹿にされたような気持ちだった。



「ちょっと待って!」




一際大きな声で呼びとめられた。


振り返らずにそのまま…とも思ったがコンビニの前にたむろっている若者達の目線が痛かった。



「何ですか?嫌味ですか?」



ちょっと強気に言ってみた。初対面の人に少し抵抗もあったが自分の方が歳上だし優位に立ちたかった。



「イヤ…違うんだ(笑)こんな時間だし方角こっちでしょ?途中まで一緒に行きますよ」



彼は私が帰る方角を指差してそう言った。


どうして知ってるの?と言う気持ちもあったが言葉の端々にみえる小馬鹿にしたような感じが、どうにも耐えられなかった。



「ありがとうございます。でも近くなので結構です。大丈夫です。」



もう関わりたくないと言う気持ちをこめて、でも丁寧にお断りをした。



おじきをして今度は小走りに、その場を後にした。



< 3 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop