花火
 

「レノン先生は何故日本に?」



「あ、先生もいりません」



「はぁ。」



「僕が日本にいる理由は、愛する女性がいるから、ですかね」



「!」



にっこりと整った顔で笑うレノン。


想像もしなかった答えに驚いてしまった。


ていうか、女のために日本に?


すげぇな。


やっぱり外国人は違うな。



「あとは、日本が本当に好きなんです。美しいものがたくさんありますから。場所もそうですが、人も美しい」



「そう言っていただけると、日本人としてすごく嬉しいです」



お互いに笑い合うと、またどこかから「きゃっ」という黄色い声が聞こえてきた。


……。


これがレノンと話すたびに、毎回続くのか?


話すたびに視線をあびるのは、面倒だな。


……と、表面では笑ったまま、心の中で思った。

 
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