花火
 

*+.。.+*.。.


レノンは女子生徒の間でも一気に人気者になった。


見るたびに生徒に囲まれていて、俺は端から見ながら「大変だな」と思いながらも、感謝の気持ちでいっぱいだった。


かなり助かる。


お陰で、少しだけど俺にまとわりついていた女子が減ったから。


容姿とか置いておいても、そこそこ若い教師というだけで、高校生というものは寄り付いてくるもので。


それが見た目も抜群な外国人なら、尚更。


この男なら俺とは違って、あしらう感じではなく、ちゃんと生徒と接するだろう。


生徒もそっちの方が幸せだ。






「レノン先生」



「あぁ、Missリン。何ですか?」



「!」



授業も終わり、次の日以降の授業の資料作りのために職員室で仕事をしていた時、突然耳に入ってきた声に、ほんの一瞬だけ息を飲んでしまった。


この声はリンだ。


この場所では近付くことのできない、愛すべき彼女。


視線を移したい気持ちが沸き上がる。


けど、それはしないと決めてる。


……目が離せなくなる自信があるから。


俺はすぐに気持ちを切り替えて、パソコンの画面に向かった。

 
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