花火
──でも、今はそんなに簡単に捨てられるものじゃない。
リンを失うのが怖い。
何でここまでハマってるのかは自分でもわからないけど、理屈じゃないんだと思う。
……それは、リンも同じだと思ってた。
俺の勘違いだったってことか……。
アホ過ぎるな。
この年になってそれを初めて知るなんて……
「……あー、やっべ。泣きそ」
……これからどうするか。
リンを想うなら、別れるのがいいんだろうけど。
離したくない。
リンの隣で、笑顔が見たい。
どうすればいい?
俺の頭の中は、リンと離れたくないってことと、リンの幸せは何かってことがいっぱいになって、答えも見つからないまま、ただぐるぐると回っていた。