花火
 

*+.。.+*.。.


合同授業、当日。


金を貰うわけでも、生徒の受験に役立つわけでもないけど、授業と同じくらい気合いを入れて、今日の準備をしてきた。


思っていた以上に生徒は集まり、普段はそんなに緊張しない俺も少しだけ緊張してしまった。


それに……


リンもいたから。


この先、リンに授業をすることはないと思っていたし、そこだけ空気が違って見えて、目のやり場に困る。


……でも、わかってる。


きっとリンは俺の授業ではなく、レノンの授業のために参加しているんだと。


バカ真面目だから、単純に授業内容のおもしろさに乗ってきたのかもしれないけど。






最初の緊張はどこへやら、始まってしまえば楽しくて仕方なくて、あっという間に終わってしまった。


レノンも満足してくれたようで、次の週のレノンの授業も楽しく終わった。


英語が苦手な俺でさえ、英語は楽しいものだと知ることのできた授業で、さらにレノンとの差を見せつけられた気がした。

 
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