花火
 

「リン」



「!」



「……リンの前では本当の俺でいられるんだ。安心できる」



「っ、」



「リンが俺の居場所だよ。初めてできた、居場所」



……私が先生の居場所?


本当に?



「……想ってたんです」



「ん?」



「初めて気持ちが通い合った日に。先生は私に居場所をくれたし……先生が泣いてるみたいに見えて、どこか寂しそうだったから……今度は私が先生の居場所になりたい、って」



「!」



「本当に、なれてるんですか……?」



「……うん。なれてるよ、十分なくらいに」



「っ、先生……!」



「!」



堪らず、先生に抱きついてしまった。


先生は驚いていたみたいだけど、すぐに私のことをぎゅっと抱き締めてくれる。


ぽんぽんと背中を撫でてくれる先生の手は、すごく優しくて大きくて幸せな気持ちに包まれる。


こんな風にしていると、やっぱり私ばかりが先生に幸せをもらっていると思ってしまう。

 
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