花火
 

「せん…………、ひ、大翔……先生っ」



「……ダメ。不合格。先生ってついてるじゃん」



「!てっ、テストなんですかっ!?」



「うん。くくっ」



「もう!酷いっ」



「酷いのはリンだろ?俺にこんなに我慢させてさ」



「ひゃ……っ!」



耳たぶをカプリと噛まれて、耳を押さえようとしたけど、その手は先生の手に包まれてしまう。



「耳、熱い」



「も、先生ってば」



「……次、“先生”って呼んだら、お仕置きね」



「!」



先生が私の顔のすぐ横で、私の手にキスを落とす。


先生は目を臥せていて、普段はあまり気付かないところに気が付いた。


……先生って、睫毛長いんだ……。


すごく、綺麗だ。



「……」



ちゅっ。


気付いたら私の身体は動いていて、先生の瞼にキスしていた。


唇を離した瞬間、はっと我に返る。


……わ、私、何を……!


目線を落とすと先生が私を上目遣いで見ていて、またドキッと心臓が跳ねる。

 
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