漏れ言〈詩集〉
私のヴィーナス

無垢なーー白い笑顔の裏側に

貴女が隠す、底知れぬ怠惰

白いヴェールで顔を隠して

道化の仮面は、笑顔の代わり


俗物に汚された、私のヴィーナス

貧相な白い、その躯は鞘

悪魔の剣を収めるーー

今の貴女は、鞘


私の肺を、ばらばらに割って

鳴らない喉を踏んづけて

そうしてまた、貴女は……


道化の面の下ーー


笑ってるみたいに、泣くの






title no.10 ヴィーナスの過ち
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