漏れ言〈詩集〉
乾いた甲板を歩いているの

所々にカビが生えて

今にも底が抜けそうだわ


船長も、航海士もいない

錆びた大船に、私はひとり

目的を見失って

荒れる海を漂っているの


風に舵を奪われて

下っ端悪魔のおもむくままに

貴女たちとはぐれてしまって

別の場所へ行くの


望んではいない場所

地図を無くしてしまったわ

航海術など習わなかった

私をどこに連れて行くの?


ひとりでに回り続ける舵を

自ら取ろうとせず

私は、ただ見ているだけ


女神の嘲弄が聴こえるようだわ




title no.8 荒海の中心で
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